2024/05/01-05 名山企画 大峯奥駆道全山縦走

カテゴリー   名山企画
山   名   大峯奥駆道 縦走
行 程 吉野駅~熊野本宮大社
報   告   GWは大峯奥駈道へ、吉野駅から熊野本宮大社までの100km越えを4泊5日で挑んだ。大峰奥駆道は役行者が切り拓いたと言われる修験道であり、日本最古のロングトレイルでもある。山上ヶ岳・八経ヶ岳・釈迦ヶ岳などの名山や紀州の深山の景観は素晴らしい。加えて、修験の道や神武天皇の東征伝説、役行者に古の飛鳥浪漫を追うこのルートは探究心も刺激する。


4名パーティなので、食料・水・宿泊地の計画などを綿密に行った。このルートの難しさは、①水の確保・②エネルギー補給・③体力の配分だと思う。水の確保がしっかりとしていれば、テント適地はどこにでもある。体力の配分を計画するのであれば地形図が読めるのが良いと思う。5月はGWということもあるが、日が長く、水が豊富なので最適のシーズンではなかろうかと思う。


5月1日: 雨 吉野入 この日は山上ヶ岳を越えて、小笹の宿へ。
雨と霧で視界が効かず、寒さとの戦いであった。霧の中に浮かぶ山上ヶ岳の宿坊群から荘厳さを感じた。陀羅尼助茶屋が「だらにすけ」アーケード街のようなところで面白い。
山開きは5月3日AM0300ということだが、今回は行程と合わず残念。



5月2日: 快晴 大普賢岳から弥山、八経ヶ岳へ。楊枝宿避難小屋泊。
気持ちのよい稜線歩きのルート。奥駆道出合から八経ヶ岳までは百名山ルートということもあり、登山者も多い。夕陽の稜線歩きが気持ち良い。弥山小屋や途中の山々で遊び過ぎてしまい、テン場に到着したのがまたも日没後であった。水をキャリーしていたので、小屋まで行かず平らなところでテントを張ってしまえばよかった。


5月3日: 快晴 釈迦ヶ岳へ向かう。その後平治の宿へ。
大峰も南部にはいる。ここが一番おもしろかった。釈迦ヶ岳は展望良好、一等三角点の山でもありどこからでもその勇姿を楽しむことができる。ここからの稜線歩きは他の山域ではなかなか味わえない山深さと静寂さがある。大日の行場で遊んだり、座ってのんびりまったりしているうちにどんどん時間が経ってしまった。
持経の小屋では、兼ねてから合流するお約束をしていた、静岡支部の皆さんと新宮山彦ぐるーぷさんの村吉さんから歓待をうけた。こんな山部会ところで、仲間と合流できるのは最高だ。焼酎とビールの差し入れ(平治の小屋に隠してあった)をいただき、素敵な夕餉を過ごした。
この頃から皆の疲れが目立つようになった。梅田事務局長に連絡し、4日のサポートを依頼した。


5月4日: 快晴 玉置神社へ。
笠捨山の登り返しは厳しいものの、下り基調なので足取りは軽い。ただし、メンバーには疲労の色が目立つものも。
歴史ある行仙の宿では、新宮山彦ぐるーぷの青木さん・坂田さんとおあいした。初見の皆様方だが、お噂はお聞きしていたので、旧知の中のように話がはずんで楽しい。その後、槍ヶ岳・地蔵岳は行場を楽しんで登るが、ちょうどお昼に差し掛かりとにかく暑かった。かつえ坂の登りは登りあげ、玉置山に到着。一つの区切りを迎えたと感じた。テント泊指定地の玉置神社駐車上で梅田さんと合流。ビールとソーセージで鋭気を養う大宴会となった。


5月5日 快晴 大斎原へ。
このルートは長く辛い。アップダウンもそこそこ激しい。景観もあまりないので辛抱の道だ。標高も低いので暑さも際立つ。七越峰を経て「終わった」と喜んだ所で、2つの登り返し。この苦しさを乗り越えて熊野川の河川敷が眼前に広がったときの感動はない。楽しくも辛いこの行程か一瞬に昇華する瞬間だ。
皆でパンツ一丁になって、熊野川に飛び込み、垢離取をした。火照った体に冷たい水が冷たくて気持ちよかった。
対岸では、梅田さん、新宮山彦ぐるーぷの青木さんと坂田さんが到着を待ってくれていた。嬉しい再会。大斎原と熊野本宮大社をご案内いただいた。


素晴らしい計画だった。チームワークと要所要所で出会う仲間たちとの交流。しかもほとんどの行程を快晴に恵まれた。青木さんから「2-3年したらまた必ず来たくなるよ」と言われた。おそらくそうなのだろう。


今回の山行を無事に終了できたのは、新宮山彦ぐるーぷの沖崎代表、湯川様をはじめ、村吉様、青木様、坂田様のご協力を頂いたおかげだと思っています。また、持経の宿では、日本山岳会 静岡支部 中村支部長・諏訪部事務局長はじめとするみなさんと合流、楽しい会話して元気(と焼酎・最高!!)をいただきました。仲間同士の連携の強さが日本山岳会の強みであると再認識した山行でした。


日  時    令和6年5月1日~5日

登 山 口   吉野駅
下 山 口 大斎原 熊野本宮大社

参 加 者   L東明 裕 SL水谷 嘉宏 今峰正利 松原英彦 計4名

コースタイム  
1日目: 近鉄吉野駅から小笹ノ宿まで
総時間: 11時間13分 (山行: 8時間32分, 休憩: 2時間41分)
主要地点と時間:
8:30 近鉄吉野駅 → 9:00 金峯山寺 → 10:51 青根ヶ峰 → 11:45 試み茶屋跡 → 14:51 大天井ヶ岳 → 17:06 陀羅尼助茶屋 → 18:18 山上宿坊 → 19:27 小笹ノ宿

2日目: 小笹ノ宿から楊子ノ宿まで
総時間: 13時間07分 (山行: 10時間02分, 休憩: 3時間05分)
主要地点と時間:
7:09 小笹ノ宿 → 8:33 大普賢岳 → 9:54 七曜岳 → 10:58 行者還岳 → 12:10 天川辻 → 15:47 弥山 → 17:28 明星ヶ岳 → 19:35 楊子ノ宿

3日目: 楊子ノ宿から平治ノ宿まで
総時間: 11時間14分 (山行: 8時間12分, 休憩: 3時間02分)
主要地点と時間:
7:03 楊子ノ宿 → 7:44 仏生ヶ岳 → 10:04 釈迦ヶ岳 → 12:11 石楠花岳 → 14:08 般若岳 → 15:35 涅槃岳 → 16:21 阿須迦利岳 → 17:26 平治ノ宿

4日目: 平治ノ宿から玉置山駐車場まで
総時間: 11時間55分 (山行: 8時間27分, 休憩: 3時間28分)
主要地点と時間:
5:40 平治ノ宿 → 7:04 倶利伽羅岳 → 9:27 から池 → 10:17 笠捨山 → 12:18 拝み返し → 14:43 稚児ノ森 → 16:30 玉置山 → 17:17 玉置山駐車場

5日目: 玉置山駐車場から熊野本宮大社まで
総時間: 9時間19分 (山行: 7時間27分, 休憩: 1時間52分)
主要地点と時間:
3:41 玉置山駐車場 → 5:40 大森山 → 7:55 五大尊岳 → 9:40 山在峠 → 10:41 展望台 → 11:17 七越峰 → 12:15 大斎原 → 12:48 熊野本宮大社

ヒヤリハット  厳しい山行で体調不良者が出て途中で全滅しそうになった。また、1日目、2日目の宿泊地への到着が遅くなり、暗闇の中での行動となった。全員の知恵と助け合いで切り抜けることができた。
記 録 者   東明 裕
写   真   東明 裕

2024年05月01日