2023/12/09-10 バリエーション 六甲山
[カテゴリー]バリエーション
[山 名]六甲全山縦走(須磨~宝塚)
[報 告]六甲全山縦走といえば、かの加藤文太郎がトレーニングしていたことは著書「単独行」で読んでいた。彼は住まいのあった和田岬から六甲〜宝塚へと縦走し、西宮経由で街道を歩き自宅に帰っていた。翌日も平気な顔して三菱重工で労働の汗を流していたそうだ。そんな伝説の加藤文太郎を思いながら、岐阜支部10名は阪急宝塚駅を目指し午後22時過ぎ須磨を後にした。須磨浦公園駅をスタートすると直ぐ階段の連続だ。
二つ目のピークの旗振山から明石海峡大橋が良く見えた。右手には、目指す神戸の街明かりが遥か遠く光り輝いている。六甲縦走の前半はアップダウンを繰り返し住宅街へも数回下りる。高倉台の住宅街から栂尾山への登りはどこまでも続く階段。頭の中でレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を歌っていた。横尾山を過ぎると前半のハイライト、須磨アルプスの『馬の背』だ。ヘッデンに照らされた岩稜が夜空に浮び上がる。
縦走路の中で唯一のコンビニのローソン須磨妙法寺界地店は、残念ながら開いてなかった。午前0時~6時は閉店のようだ、気を取り直し高取山へ登り返す。山頂の高取神社からは元町〜三宮の眩い光が見えた。またまた市街地に下り、丸山市街地〜神戸電鉄鵯越駅を通過する。市街地も縦走路の一部なのだが、各ポイントには案内表示板がありわかりやすい。
鵯越から標高458mの菊水山まで頑張って登る。が‥菊水山の縦走路マップを見て愕然とした。まだ全行程の1/3も来てないのだ。嘆いても仕方がない、天王吊橋まで下り鍋蓋山へ登り返した時は午前5時だった。昨夜から一睡もせずに歩いている、睡魔との闘いだ。
ここから市ケ原へ下り、いよいよ摩耶山へと向かうのだ。摩耶山への道中で夜明けを迎えた。素晴らしい夜明けに一同声が出る。偽ピークに騙されながらも太陽パワーでようやく標高698mの摩耶山の三角点に到着、神戸市街を一望する摩耶山掬星台展望台で大休止した。ここから見下ろす神戸の夜景は素晴らしいだろう。
展望台から六甲山まではロードハイクが中心となる。途中六甲ガーデンテラスで大休止して11時35分、ついに六甲山最高峰931mに到着した。まさに六甲最高!の素晴らしい晴天だった。全員で集合写真を撮り、あとは阪急宝塚駅まで15キロ下るだけだと思っていたのが間違いだった。
個人的に宝塚駅までの下りが核心だった。下りても下りても平地が近付かないのだ。所々に出てくる登り返しにもう嫌気がしていた。モチベーションはキンキンに冷えたビールだけだった。宝塚駅が見えてきたが支部長と私はたこ焼き居酒屋に直行。生ビールが旨い、美味すぎる。渇ききった細胞一つ一つに沁み渡る。2件目のお好み焼き屋で全員合流し乾杯、長かった47キロの苦労を労いあったはずだが‥私は半分寝ていたと思う。。
下山した時はもう次は無いなと思っていたのだが、山行記録を書いているとまた機会があれば行ってもいいかなと思っている。山とは不思議なものである。
[日 時] 2023年12月9~10日
[登 山 口] 須磨浦公園駅
[参 加 者] 10名
[コースタイム]須磨浦公園駅22:10 – 鉢伏山22:37 – 高倉山23:12 – 横尾山23:52 – 馬ノ
背0:00 – 妙法寺 0:45 – 高取山1:40 – 菊水山3:52 – 鍋蓋山4:57 – 摩耶
山7:45 – 六甲ガーデンテラス10:10 – 六甲山11:35 – 阪急宝塚駅 15:15
[ヒヤリハット]縦走路は特に危険な箇所は無かったと思われる。
睡眠不足により歩いている最中にも意識が何度か飛びそうになった。
[記 録 者] 重森宏昭
[写 真] 重森宏昭、他皆様より